健康診断で「LDLコレステロールが高い」と言われても、痛みも症状もないため、そのままにしている方は少なくありません。この記事では、LDLコレステロールが高いと何が問題なのか、結果の見方と、放置せずに確認したいことをまとめます。
まず結論:症状がなくても、動脈硬化の原因になるため一度確認を
LDLコレステロールは、いわゆる「悪玉コレステロール」です。高い状態が続くと血管の壁にたまり、動脈硬化が進んで、心筋梗塞や脳梗塞の原因になることがあります。最近では認知症との関連が疑われています。
ただし、治療が必要かどうかは、LDLコレステロールの値だけでは決まりません。年齢、血圧、血糖、喫煙、腎臓の病気などのほかの条件によって、目指す値や治療の進め方が変わります(日本動脈硬化学会「健康診断で異常を言われたら?」)。一度受診して、ご自身にとっての目安を確かめておきましょう。
健診の結果の見方
特定健診では、LDLコレステロールに次の目安が使われています(標準的な健診・保健指導プログラム(令和6年度版))。
- 120以上:保健指導の目安
- 140以上:受診をすすめる目安
- 180以上:早めの受診をすすめる目安
あわせて、HDLコレステロール(いわゆる善玉)が40未満、中性脂肪が空腹時150以上(食後などの随時175以上)も、生活習慣の見直しが必要な目安とされています。
LDLコレステロールが高くなる主な原因
- 食事:肉の脂身、バター、生クリームなど、動物性の脂の多い食事
- 体重の増加・運動不足
- 年齢や体の変化:女性は閉経の前後から上がりやすくなります
- 体質(遺伝):食事に気をつけていても高い方がいます
- ほかの病気やお薬:甲状腺の働きが低下する病気などで上がることがあります
180以上の方は「家族性高コレステロール血症」の確認を
生まれつきLDLコレステロールが高くなる「家族性高コレステロール血症」は、300人に1人程度とされる比較的よくある病気です。日本動脈硬化学会は、治療前のLDLコレステロールが180以上のときは、この病気を疑うべきとしています。ご家族にLDLコレステロールが高い方や、若いうちに心筋梗塞などになった方がいる場合は、特に受診をおすすめします(日本動脈硬化学会「家族性高コレステロール血症(FH)とは?」)。
自分でできること
- 動物性の脂(肉の脂身、バター、生クリーム、洋菓子など)を控える
- 魚、大豆製品、野菜、海藻、きのこを多くとる
- 体重が増えている方は、少しずつ減らす
- 歩く時間を増やすなど、体を動かす習慣をつける
- たばこを吸う方は、禁煙を考える
当院では栄養相談を行っています。
生活の見直しだけで十分か、お薬が必要かは、ほかの条件とあわせて医師が判断します。
受診した方がよい目安
- LDLコレステロールが140以上
- 180以上(早めの受診をおすすめします)
- 高血圧、糖尿病、腎臓の病気がある、またはたばこを吸っている
- ご家族に、コレステロールが高い方や、若くして心筋梗塞・脳梗塞になった方がいる
胸が締めつけられるような痛みが続く、冷や汗が出る、顔や手足の片側が動かしにくい・しびれる、ろれつが回らない、といった症状があるときは、ためらわずに119番に連絡してください。
当院でできること
内科で脂質異常症の診断と治療を行っています。予約は不要で、日曜・祝日も午前中に診療しています(水曜は休診です)。木曜日の午前には、循環器系の専門医が診察します(予約制)。
脈波図や頸動脈超音波検査などにより、動脈硬化の判定をします。
健康診断の結果票(過去の分もあれば一緒に)をお持ちください。診療の内容は内科と循環器科のページでご確認いただけます。
よくある質問
LDLコレステロールが高いと、すぐにお薬が必要ですか?
すぐにお薬が必要とは限りません。ほかの条件によって、まず生活の見直しから始めることも多くあります。値と条件をあわせて判断します。
やせているのに、コレステロールが高いと言われました。
体質(遺伝)や、ほかの病気が関係していることがあります。特に180以上の方や、ご家族にコレステロールが高い方がいる場合は、一度ご相談ください。
お薬を飲み始めたら、ずっと続ける必要がありますか?
値や体の状態に合わせて、医師が判断します。自己判断でやめると値が戻ることがあるため、気になることがあれば受診のときにご相談ください。
参考情報(2026年10月確認)
- 厚生労働省「標準的な健診・保健指導プログラム(令和6年度版)」
- 日本動脈硬化学会「健康診断で異常を言われたら?」
- 日本動脈硬化学会「家族性高コレステロール血症(FH)とは?」
数値の基準や制度は2026年10月時点の情報です。
