健康診断でγ-GT(γ-GTP)が高いと言われると、「お酒の飲みすぎ」と思われがちです。たしかに飲酒は大きな原因ですが、お酒をあまり飲まない方でもγ-GTが上がることがあります。この記事では、γ-GTが上がる主な原因と、結果を見るときに確認したいポイントをまとめます。
まず結論:お酒以外にも、脂肪肝・お薬・胆道の病気などで上がります
γ-GTは、肝臓や胆道(胆汁の通り道)に多く含まれる酵素です。お酒をたくさん飲む方で上がりやすいほか、脂肪肝、飲んでいるお薬、胆汁の流れが悪くなる病気などでも上がります。原因によって対応が変わるため、「お酒のせいだろう」と決めつけずに、一度原因を確かめることが大切です。
特定健診では、γ-GTが51以上で保健指導、101以上で受診勧奨の目安とされています(標準的な健診・保健指導プログラム(令和6年度版))。
γ-GTが上がる主な原因
お酒の飲みすぎ
長い期間たくさん飲む習慣があると、γ-GTが上がりやすくなります。厚生労働省のガイドラインでは、生活習慣病のリスクを高める飲酒量を、1日あたりの純アルコール量で男性40g以上、女性20g以上としています。純アルコール20gは、ビールなら中びん1本(500ml)程度です。
脂肪肝(脂肪性肝疾患)
肝臓に脂肪がたまると、お酒を飲まない方でもγ-GTが上がることがあります。ALTやASTも一緒に高いときは、脂肪肝が隠れていることがあります。肥満や糖尿病、脂質異常症のある方は特に注意が必要です。
お薬・サプリメント
飲んでいるお薬や健康食品の影響で、γ-GTが上がることがあります。自己判断でやめずに、受診のときに医師にお伝えください。
胆石や胆道の病気
胆汁の流れが悪くなる病気(胆石、胆管の病気など)でもγ-GTが上がります。この場合は、ALPなどほかの値も一緒に上がることが多く、腹部超音波検査などで確認します。
結果を見るときに確認したいポイント
- γ-GTだけが高いのか、ALT・ASTも高いのか
- 前の年の値と比べて、上がっているか、ずっと高いままか
- 1週間に飲むお酒の量(何を、どのくらい)
- 体重が増えていないか
- 新しく飲み始めたお薬やサプリメントがないか
ALT・ASTなど、ほかの値の意味は健康診断で肝機能の異常を指摘されたらのページで説明しています。結果票に「再検査」「要精密検査」と書かれていた方は、健康診断で肝機能の「再検査」と言われたらもご覧ください。
自分でできること
- お酒の量を見直す:休肝日をつくる、1日の量を決めておく
- 体重を見直す:食べすぎ・間食を控え、体を動かす機会を増やす
- 記録をつける:飲んだお酒の量や体重を書き留めておくと、受診のときに役立ちます
お酒の量を減らしても値が下がらない、自分では量を減らせないという場合も、ご相談ください。
当院でできる検査・診療
当クリニックでは、日本肝臓学会の肝臓専門医である院長が診療にあたります。肝臓内科の受診に予約は不要で、日曜・祝日も午前中に診療しています(水曜は休診です)。
- 問診:飲酒の量、お薬やサプリメント、体重の変化などをお聞きします
- 血液検査:γ-GTに加えて、ALT・AST、ALP、肝炎ウイルスなど、原因を調べる検査を行います
- 画像検査:必要に応じて、腹部超音波検査で肝臓や胆道の状態を確認します
診療の内容は肝臓内科のページでご確認いただけます。
よくある質問
お酒を飲まないのに、γ-GTが高いと言われました。
脂肪肝、お薬、胆道の病気などが原因のことがあります。お酒以外の原因を調べるためにも、一度ご相談ください。
お酒をやめれば、受診しなくてもよいですか?
飲酒を控えることは大切ですが、ほかの原因が隠れていることもあります。原因を確かめたうえで、生活の見直しを進めましょう。
γ-GTだけが少し高いのですが、心配ありませんか?
少し高いだけのこともありますが、前の年より上がっている、何年も続けて高いといった場合は、原因を調べる意味があります。
参考情報(2026年10月確認)
- 厚生労働省「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」
- 厚生労働省「標準的な健診・保健指導プログラム(令和6年度版)」
数値の基準や制度は2026年10月時点の情報です。
